安全な登山のために

十勝岳登山における注意事項

多彩なコースを楽しむことができる十勝岳連邦ですが、季節や天候によっては険しい登山となることもあります。雨や雪への備えはもちろんん、入山届の提出等も忘れないようにしましょう。

一般的な注意事項

  • 十勝岳連峰は、比較的明瞭な稜線があり、コースはわかりやすくなっていますが、コースを外れると戻ることが難しい場合もあります。また、鞍部(コル)では広い平坦地形の所もあり、霧等で視界がきかないときには迷いやすいため、ペイントや杭のコース表示を見失わないように慎重に行動して下さい。

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  • 十勝岳連峰には、カミホロカメットク避難小屋、美瑛富士避難小屋、十勝岳避難小屋がありますが、いずれも無人無料の施設で、自炊が前提になります。
    また、カミホロカメットク避難小屋、美瑛富士避難小屋、十勝岳避難小屋は雪渓の水場のため、水は携行した方が安全です。

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  • 雪渓は、8月に入ると消えてしまいます。また、雪渓の水場は、気温が低いときには流れが停止することがあります。水は、夕方までの気温の高いうちに確保しましょう。
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  • ヒグマについては、大雪山国立公園全域が生息地といえます。ヒグマに出あったら決してヒグマから目をそらさないように対峙して下さい。そのうちに立ち去りますが、緊迫が高まったような場合は、食べ物や持ち物を投げ与えて注意をそらして、落ち着いて遠ざかってください。不用意に逃げると、ヒグマにその気がなくても、本能的に攻撃行動に移ってしまいます。

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  • エキノコックス症予防のため、小川や沢水は煮沸して使用して下さい。原虫卵は、100℃で瞬時に、60℃で10分程度の加熱で死にます。
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  • 7月中旬~8月中旬の山の気温は、氷点下になることは極めてまれですが、日中でも5℃前後と低温になることはよくあります。特に、大陸からの高気圧(寒気団)がオホーツク海に居座ると気温が低下し、雲や霧の発生が多くなります。また、寒冷前線の動きには注意が必要で、この通過の際には雷雨が伴います。

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気象通報
NHK第2 ①9:10~9:30 ②16:00~16:20 ③22:00~22:20
周波数一覧
旭川(1602Khz) 札幌(747Khz) 帯広(1125Khz)

避難小屋・トイレ

避難小屋は、夏のシーズン中は混雑することが多いため、パーティーで行動する場合にはテントは必携です。また、避難小屋を利用する時には、携行品を広げて占拠するようなことはせず、ゆずりあいの気持ちをもって下さい。


避難小屋


トイレ

日の出・日の入り時刻

日の出、日の入り時刻は概ね次のとおりですので、行動計画の目安にして下さい。
※海上保安庁情報部(R3)

日の出時刻 日の入り時刻
6月下旬 03:50頃 19:15頃
7月前半 3:52~04:02 19:15~19:09
7月後半 04:03~04:18 19:09~18:54
8月前半 04:19~04:34 18:53~18:34
8月後半 04:35~04:52 18:33~18:08
9月前半 04:53~05:09 18:06~17:41

安全な登山のための準備

登山計画は、ゆとりをもって避難コースや予備日を検討して作りましょう。
入山の10日くらい前に、指定書式で登山計画書を作成し、下記まで提出(郵送可)して下さい。
なお、所轄警察署や交番等出先に提出してもけっこうです。また、下山した場合は、速やかに計画書提出先に下山届(電話可)をして下さい。警察への登山計画書の提出のほかに森林管理署への入林届が必要です。(詳細は後述)

登山計画書はこちら

登山計画書提出先
〒078-8511
北海道警察旭川方面本部地域課
旭川市1条通25丁目TEL 0166-35-0110
所轄警察及び出先
富良野警察署富良野市若葉町11番1号TEL 0167-22-0110
上富良野交番上富良野町宮町1丁目1番TEL
0167-45-2039

旭川東警察署旭川市1条通25丁目TEL
0166-34-0110

美瑛交番美瑛町中町4丁目4番TEL
0166-92-2036
  • 登山は、普段生活にない運動量があり、体力の消耗や思わぬケガで危険にさらされることがあります。他のスポーツと同様に、事前にトレーニングを行い、過信をしないようにしましょう。
  • 出発前には天気予報・火山情報を調べ、飲食物や睡眠などの体調管理に努めましょう。
  • 服装や携行品をチェックし、山岳環境に対応した装備をしましょう。次に示すのは、山中野営指定地1泊2日の装備の基準ですが、登山計画に対応して適宜増減し、別の携行品を追加して下さい。

安全登山に適する服装や携帯品

服装

  • 下着用シャツ
  • カッターシャツ
  • ニッカーズボン等
  • スパッツ
  • 靴下
  • 帽子
  • 軍手等手袋
  • セーター
  • ウインドヤッケ
  • 登山靴
  • リュックサック又はサブザック

携行品

  • ヘッドランプ又は懐中電灯
  • ヘルメット
  • 雨具
  • 水筒又はポット
  • 地図
  • 磁石
  • 時計
  • 手拭
  • タオル
  • 洗面具
  • ナイフ
  • 予備靴紐
  • 三角布
  • 常備薬
  • マッチ
  • ライター
  • 身分証明書
  • 健康保険証
  • 食器
  • 食料及び非常食

  • 単独登山はできるだけ避け、経験のある方と登るようにしましょう。また、出発前に登山計画を、家族や知人、友人、職場などに話してから出発しましょう。遭難などに際しては、大きな助けとなります。
  • 天候がすぐれないときは、行動をひかえましょう。また、一般に午後からは天気が崩れやすいので、行動は午前中を中心に計画しましょう。
  • 十勝岳は活火山のため、火山情報を確認し行動しましょう。
    山に変化が見られた場合速やかに下山しましょう。
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楽しい登山のアドバイス

登山には警察署への登山計画書の提出の他に、全域が国有林であるため管轄森林営林署への入林届が必要です。登山者が便利なように、それぞれの登山口付近に入林ポストがあり、入林届出簿へ記入すればよいことで、届出が簡略化されています。必ず記入しましょう。

登山計画書提出先

十勝岳・三段山・上ホロカメットク山・上富良野岳・富良野岳方面
①バーデンかみふらの前 ②十勝岳温泉駐車場 ③吹上保養センター白銀荘
オプタテシケ山・美瑛岳・十勝岳方面
①登山口そば ②望岳台レストハウス内
富良野岳・原始が原方面
①布礼別ニングルの森登山口
  • バランスをくずした時に敏速に対応できるよう、持物は背負って手には物を持たないようにしましょう。
  • 山の天候は変わりやすいので、暖かくてもセーターや下着などの着替えを持ちましょう。
    また、雨具は非常時に風よけ・雨よけ・暖房にと多用途に使える必需品です。晴れていても必ず持参しましょう。
  • はきなれた底が厚く、溝が深めで、土踏まずの部分がよく締まる靴が最適です。新しい靴は、靴ずれをおこして、楽しい登山をだいなしにしてしまうことがありますので、必ず事前に十分にはきならしましょう。
  • 気温や行動の強度に合わせて、適切な体温を維持するよう、衣服の着脱をこまめに行い、余分な疲労を防ぎましょう。
  • 食事は少しずつ回数を多く、飲料水はがぶ飲みをせずに回数をこまめに取り、胃腸をいたわり体調の不調を防止しましょう。
  • 霧などで視界がきかなくなった時に、自分がいる位置を知っていることが最も重要です。常に方向や目標物、位置を、磁石と地図で確認しながら行動しましょう。また、行動中はこまめに記録をつけましょう。
  • 避難小屋、指導標は登山者の命綱です。いたずらなどは言語道断で、風雨や雪などで破損している場合には、応急修理をするぐらいの心構えを持ちましょう。
  • 高山植物は、厳しい環境で懸命に生きています。歩道部を外れて踏み荒したり、休息で腰掛けたりしないようにしましょう。また、摘み取ったり、掘り起こして持ち帰ることは禁止されています。
  • 食事後の残り物や空カン、包装紙などは、非常時の食料や容器、燃料にもなります。クリーンな十勝岳連峰を守るためにも下山まで持ち帰りましょう。
  • 山火事防止のため、喫煙の場所に気をつけ、携帯灰皿などを携行して吸殻のポイ捨てはやめましょう。また、国立公園内でのたき火は厳禁です。火気の取扱に注意しましょう。
  • 登山中に、山岳パトロール員などの管理関係者や、他の登山者から注意やアドバイスを受けたときは、素直に従いましょう。
  • 十勝岳連峰等北海道の山岳は、緯度的に本州方面より気象条件が厳しく、本州中部地方の標高3000メートル以上に匹敵します。数字上の標高だけを行動基準や登山計画に当てはめることはできません。
  • 雪渓は岩がかくれていたり、穴があったり、末端が急に落ちこむこと、部分的に層が薄くもろい個所があることなど、危険が高いので十分に注意して通過しましょう。
  • 救難信号と間違うような無意味な旗、笛、灯火の点滅、大声等の合図はやめましょう。

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